11月18日、石央文化ホールにて「2012日本石見神楽大会」が盛大に開催されました。今年は古事記編纂1300年の記念すべき年であり、大会サブタイトルは「高ぶる神話の鼓動」と銘打っています。今回の参加団体は益田市津田神楽社中、江津市大都神楽団、広島県筏津神楽団を加えた14団体。

本大会は、実行委員会の若手を中心に舞台雰囲気を一変させ、より進化した神楽大会を目指す取組を行っています。現在神楽大会も頻繁に開催され、観衆の目もとても肥えてきており、今後の神楽大会の在り方も問われています。
広島県ではグランプリを決定する大会が基本で「競演大会」。石見では順位は求めない「共演大会」。地域により気質も異なれば、神楽と住民との関係も異なります。
私は本来神楽は氏子により支えられている各地域における神社奉納と考えています。イベント化する神楽も否定はしませんが、本来神楽の持つ神聖な精神を継承することが大切です。安易に経済活動の道具として捉えられるのは寂しい限りです。
つまり神楽においても「変えてはいけない部分」と「変えてよい所」を見極め進化させることが重要ではないでしょうか。石見神楽が発展してきたのは、神事的要素を守りつつ大衆へ迎合した郷土文化の実現の賜物と感じています。