この度、浜田市の日本遺産でもある「石見神楽」という大きな地域の伝統文化財の発展に多大な功績を遺した、柿田勝郎氏がお亡くなりになりました。
舞子として、また神楽を愛する一人として柿田氏の他界は痛恨の極みです。まだまだ浜田市の誇りとしての石見神楽の発展を、神楽面作成の立場からも牽引していってもらいたかった。今は心からご冥福をお祈りいたします。
私が柿田氏と出会ったのは、もう35年も前のことでしょうか。私も20代後半の頃正式に石見神楽長澤社中の舞子として神楽に勤しみはじめました。当社中も神楽面に関して大変柿田氏にはお世話になっており、長浜人形の製法の流れを汲む伝統的な石見神楽面の技術を継承しつつ様々な面の作成を手掛ける斬新さに心ひかれたものです。そして作成依頼は、浜田市内に留まらず、石見地方、そして広島からも神楽面の作成のオファーがきており溢れるばかりの創作意欲と制作に打ち込む姿には頭の下がる思いでした。
その後長い年月の中で、神楽面の想いや今後の神楽社中の在り方等沢山のお話をさせていただきました。また対外的には多くのメディアや講演会にて神楽面の未来や神楽の行く末について大いに語られていた姿は忘れることができません。石見神楽を支えた「ものづくり」の巨匠として、その「ものづくり」を浜田の宝として後世に繋ぐという「文化財指定」に関して、首を長くして待っておられました。その指定を知らせることなく旅立たれたことは残念でなりません。できるだけ早く石見神楽の「ものづくり」が浜田市文化財指定され、氏の墓前に報告できるよう努力を続けます。どうかその日を空の上からしっかりと見守ってください。
令和5年6月4日
浜田市議会石見神楽推進議員連盟
会 長 川神 裕司

(写真は、いわみ子供神楽フェスタ20周年記念大会での、功労者賞授与。大会実行委員長を務めるわたしの方より、柿田勝郎氏へ感謝を込め、手渡しました)